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笑う門には福来たる~後編~|糖尿病内科 むらまえクリニック

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笑う門には福来たる~後編~

前回に引き続き、笑うことのメリットをお話ししようと思います。早速ですが、笑うことが血糖値にどのように影響するかを調査した研究を紹介させていただきます。

 

笑うことで血糖値の上昇が抑制される?笑うことで血糖値の上昇が抑制される研究イメージ図 -糖尿病内科むらまえクリニックのブログ

筑波大学の研究グループと、あの吉本興業がタッグを組んで実施されました。食後に「講義を聞く」のと「漫才を観る」ので、血糖の変化に差があるのかを調べた、とてもユニークな研究です(Diabetes Care.2003;26(5):1651-2.)。
2型糖尿病をもつ19人(平均年齢63才、平均HbA1c 7.2 %)を対象に、2日間にわたり同じ時間帯で行われ、食事も全く同じメニュー(約500 kcal)でした。それぞれの日で食前と食後2時間の血糖値を測定し、比較しました。

 

  • 1日目(笑いなし):食後に「糖尿病に関する」真面目で単調な講義を40分間聴く。
  • 2日目(笑いあり):食後に漫才師による公演を40分間観る。

 

笑いなしの日では平均123.1 mg/dL上昇したのに対して、笑いありの日では平均77.6 mg/dLでした。笑うことで血糖の上昇が45.5 mg/dL(37.0 %)抑えられた、という結果でした。
日本で最も多く使われているDPP-4阻害薬では、食後血糖を30~60 mg/dL抑えるとされているので、45.5 mg/dLというのはそれなりにインパクトのある数値ではないでしょうか。

 

血糖値のみならず糖尿病の合併症予防にも?

同グループは、笑いがからだに与える影響を検討するために遺伝子解析を行いました(Psychother Psychosom.2006;75(1):62-5.)。その結果、笑うことで23個の遺伝子の働きが変化したことが確認されました。
例えば、免疫に関わるNK細胞を活性化させる遺伝子のスイッチはオンに、逆に炎症に関わる遺伝子のスイッチはオフに変化しました。

また、笑いによって「プロレニン」を分泌する遺伝子のスイッチを弱めることが示唆されました。
プロレニンはレニン・アンジオテンシン系の上流に位置し、過剰に働くと高血圧や血管障害の原因になります。実際に、プロレニンの値が高いと、網膜症や腎症などの血管障害を引き起こすリスクになることが知られています。つまり、笑うことは糖尿病の合併症予防にも有効かもしれません。

 

おわりに

年の初めということで、2回に分けて笑うことの健康への恩恵について紹介させていただきました。
笑いは周りに伝染していくものだと思います。一日一善ならぬ「一日一笑」ということで、意識的に笑うようにしてみてはいかがでしょうか。

 

 

2026年2月24日