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-治療について-

「食事療法・運動療法・薬物療法」が糖尿病治療の3本柱になります。

 

特に食事・運動療法は、日々の生活と深く関わっているので、負担感が大きいと到底続けることはできません。
私たちはまず初めに、今の生活についてお話を聞かせてもらい、現状を把握することからはじめます。

 

患者さん1人1人の大切にしているものを最大限尊重し、その上で「これならできる、ここからやってみよう」と患者さんに思ってもらえるような食事・運動療法を提案いたします。

リストマーク食事療法

大前提として、糖尿病があるからといって食べてはいけないものはありません。

食事療法の基本は「カロリー」と「バランス」ということになりますが、これも全ての人に共通する正解はありません。
人が生きていく上で食べることは欠かせませんし、食事内容はいわばその人の歴史(生まれ育った環境、地域性、価値観)だと言えます。
食事療法の目的は「血糖値のため」もそうですが、それ以上に「楽しく食べること」が大切だと考えています。
当院では、管理栄養士による栄養相談も可能です。
患者さん個々のライフスタイルに合った食事療法(食べ方や食べるものの組み合わせなど)を、一緒に考えていきます。

食事療法のイメージイラスト
疾患予防に有効な運動量 1日の平均歩数と中等度の活動時間を示した図

リストマーク運動療法

運動療法と聞くと高いハードルのように聞こえるかもしれません。
「身体活動量」を意識することが大切です。

テレビを観ている時間が長い人や、座業の時間が長い人は、糖尿病や心血管病のリスクが高いとされています。1日の中で「座りっぱなし」の時間を少なくする、それだけでも立派な運動療法ということになります。
運動には「有酸素運動(軽~中程度の負荷を継続的にかける運動)」と「レジスタンス運動(筋肉に負荷をかける動きをくり返し行う運動)」があり、両者を組み合わせるとより効果的とされています。
ウォーキングは有酸素運動の代表的なものですが、血糖値のみならずさまざまな病気の予防に有効とされています(図)。
いきなり1万歩と言われても、中々達成できる人はいません。
まずは10分(約1000歩に相当)でも歩く時間を増やしてみませんか。また、レジスタンス運動の中には「ながら」でできるものがありますので、「ジムに行かないと」など難しく考えずに生活の中に取り入れてもらいたいです。

リストマーク薬物療法

糖尿病の薬の進歩はめざましく、次々と新しい薬が登場しています。たくさんの選択肢の中から、患者さん1人1人に合った薬物療法を提案させていただきます。
また、血糖モニターなどのデバイスも日々進化しており、適応がある患者さんには適宜紹介いたします。

【スルホニル尿素(SU)薬】

膵臓からのインスリン分泌を促進させる薬です。
血糖を下げる作用は強いですが、低血糖を起こすリスクがあります。

【グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)】

スルホニル尿素薬と同様に、膵臓からのインスリン分泌を促進させる薬です。
スルホニル尿素薬より作用時間が短いため、低血糖のリスクは低いです。食後の高血糖を是正するために使用します。
食前に飲む必要があります。

薬物療法のイメージイラスト

【DPP-4阻害薬】

膵臓からのインスリン分泌を促進させる薬です。
血糖値に応じてインスリン分泌を促進させるため、単独では低血糖を起こしません。食後の血糖上昇を抑えます。
わが国では、糖尿病治療薬の中で最も多くの人に使用されています。

【ビグアナイド薬】

インスリンの効きを良くする薬(インスリン抵抗性改善薬)に分類されていますが、近年、腸からの糖排泄を促進させる作用が報告されました。
欧米では、第一選択薬となっています。

【SGLT2阻害薬】

2014年に登場した薬です。
1日に70~80gの糖を尿から排出させます。
体重減少効果があります。最近では、心保護作用や腎保護作用が注目されています。

【α-グルコシダーゼ阻害薬】

腸管からの糖の吸収を阻害することで、食後の高血糖を抑制します
食前に飲む必要があります。

【チアゾリジン薬】

インスリンの効きを良くする薬(インスリン抵抗性改善薬)です。

【イメグリミン】

2021年に登場したばかりの薬です。
ミトコンドリア(≒細胞のエネルギー産生工場)への作用を介して、血糖値に応じてインスリン分泌を促す作用と、インスリン抵抗性を改善(筋肉での糖利用促進や肝臓での糖新生抑制)する作用があります。

【インスリン製剤】

人が生命活動を維持していくために必要なエネルギー源である糖(グルコース)を体の中の細胞に貯めることが、インスリンの働きです。

私たち人間は生きるためのエネルギーを、食べることでしか得られません。食べたものは、胃腸で消化吸収されて血液の中に入ります。
血液中の糖(グルコース)、血糖が増えると速やかに膵臓が感知して、インスリンを出します。
出てきたインスリンは、血糖を体の中の細胞(肝臓や筋肉)に取り込んでいきます。 つまり、食物から得たグルコースを体内に蓄えるのがインスリンで、その結果として血糖値が下がっているということになります。

糖尿病の発症には、膵蔵からのインスリン分泌の低下が多かれ少なかれ関わっています。

インスリンが減ってしまうのは体質や加齢などの影響であり、残念ながら患者さんの努力でどうにかなるものではありません。 そこで、足りないインスリンを補うのがインスリン治療ということになります。

インスリン製剤のイメージイラスト

インスリン製剤は、作用時間の長さによっていくつか種類(血糖を全体的に下げるものと食後血糖を下げるものに大別)があります。

インスリンがほとんど出なくなる1型糖尿病の人では、インスリン製剤によるインスリンの補充が治療の中心になります。
また、全ての2型糖尿病の人においても、インスリンは相対的に不足しています。

特にインスリン分泌の低下が顕著である場合(家族歴がある場合や、比較的若年で発症している場合)には、早期にインスリン治療を行うことが望ましい場合があります。
高血糖が持続すると、それによってインスリンを出す力が弱ってしまいます。 インスリンを補充することで膵臓のインスリンを出す力が回復して、インスリンを離脱できることがあります。
つまり、必ずしも「インスリンは一度はじめたらやめられない」というわけではありません。

GLP-1
体重を減らす効果のイメージイラスト

リストマークGLP-1受容体作動薬

2010年に注射薬、2021年に経口薬が登場しました。注射薬には1日1回のものと週1回のものがあります。

GLP-1はインクレチン(名前はインスリンと似ていますが、別物です)の一種で、食後に腸管から分泌されるホルモンです。
この腸管ホルモンであるGLP-1には、血糖値に応じて膵臓からのインスリン分泌を促進させるという働きがあります。この点はDPP-4阻害薬も同様ですが、食後高血糖を抑える効果はGLP-1受容体作動薬の方が強いです。
血糖値が低い時にはインスリン分泌を促進させないので、単独使用では低血糖を来しません。
また、食べ物の胃からの排泄を遅らせたり、満腹中枢を介して食欲を抑制したり、体重を減らす効果があるのも特徴です。