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院長ブログ28-帯状疱疹ワクチンの定期接種化について|糖尿病内科 むらまえクリニック

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28
帯状疱疹ワクチンの定期接種化について

新年度を迎えました。今年は気温が上がるのが遅かった影響か、4月中旬まで桜の花を見ることができました。
当院が開院して早くも2年が経ちました。少しずつ地域の方々に認知いただけていると感じます。訪れる方一人ひとりに対して真摯に、そして丁寧に向き合う姿勢は変わらぬよう努めてまいります。

 

 

帯状疱疹ワクチンの定期接種化イメージ話はコロッと変わりますが、この4月から帯状疱疹ワクチンが定期接種化されました。

帯状疱疹とワクチンについては、第14回で取り上げましたが、あらためてまとめてみました。
「ワクチンを打った方がいい?」という方や「どちらのワクチンを打てばいい?」という方の判断の一助になれば幸いです。

 

定期接種とは

定期接種は、予防接種法に基づいて、市区町村が主体となって実施する予防接種のことです。
帯状疱疹はA類疾病(主に集団予防や重篤な疾患の予防を目的とする)に分類されています。

 

定期接種の対象となる人

〇年度末年齢が65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳の方。

〇100歳以上の方。

〇60~64歳の方で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障害を有し、日常生活が高度に障害されている(身体障害者手帳1級相当)方。

 

令和7年度から令和11年度までの5年間は、年度末年齢が70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の方が対象となります(経過措置)。

 

2種類のワクチンの比較

定期接種に用いられる帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。
それぞれの詳細については、第14回のブログ(帯状疱疹ワクチンとそのワクチンの話をご参照ください。

 

接種にかかる費用を加えた両者の比較表は以下のようになります。

  生ワクチン
(弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)
不活化ワクチン
(シングリックス)
接種部位 皮下 筋肉
接種回数 1回 2回
発症予防の効果 約51% 約97%
神経痛予防の効果 約67% 約89%
持続期間 5~8年 10年ほど(それ以上?)
副反応 局所反応、発熱 水痘様発疹(1~3%) 局所反応、筋肉痛(40%) 疲労(39%)、頭痛(33%) 発熱(18%) など
費用 (定期接種) 4000円 明石市:22000円(11000円×2回)
神戸市:20000円(10000円×2回)

 

帯状疱疹になった人の多くは皮膚科を受診されるので、私自身が帯状疱疹の治療を行うことはほとんどありません。しかし、通院されている患者さんから『先日帯状疱疹になった。』と話を伺うことは時折あります。症状の程度には個人差がありますが、中には1ヶ月以上つらい痛みが続き、ペインクリニックに通われる方もいます。

 

帯状疱疹ワクチンは、発症や後遺症(帯状疱疹後神経痛)のリスクを下げることに加えて、症状の程度や持続時間に対する有効性も期待されています。

 

おわりに

今回は新しい情報が少なめでしたが、今年度から定期接種になった帯状疱疹ワクチンを改めて紹介しました。ちなみに、明石市は5月おわり~6月はじめ、神戸市は4月下旬から、定期接種の対象者に接種券が送付されるようです。
定期接種の他にも、帯状疱疹ワクチンの費用助成を行っている自治体もあります(たとえば、明石市では50~60歳の方の任意接種に対して、1回に限り4000円助成されます)。

 

実は、帯状疱疹は夏に多くなることが知られています。
ワクチン接種後2~4週間ほどで免疫が形成されることをふまえると、接種券が届いたら、早めに接種する意義はあるのではないでしょうか。
当院でも2種類の帯状疱疹ワクチンを取り扱っているので、接種を検討される方はご相談ください。

 

 

2025年4月21日