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院長ブログ-13 今年はちょっとマインドフルに|糖尿病内科 むらまえクリニック

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今年はちょっとマインドフルに

「マインドフルネス」という言葉をご存知でしょうか。
元は心理学領域の言葉でしたが、ビジネスや医療の世界でも用いられるようになりました。
2024年最初の回は、マインドフルネスについてです。
こんな発想もあるのか、くらいの感じで読んでいただければと思います。

 

マインドフルネスとは

瞑想をする男性のイメージイラスト仏教の八正道のひとつ、「正念」を英語にしたもの(mindfulness)で、日本語では「気づきを向ける」と訳されます。マインドフルネスは「自らの体験(自分自身を取り巻く環境や自分自身の反応)に、リアルタイムで気づきを向け、受け止め、味わい、手放す」ことです。
具体的には、日々の憂うつや後悔、未来への不安といった気持ちをしずめ、「今」だけに集中できるような状態を意識的に作っていくことです。
反対に、身の回りのことに振り回されて辟易し、「心ここにあらず」といった状態はマインドレスということになります。
マインドフルネスを実践する手法として「瞑想」がありますが、専門家の指導のもとに行うことが望ましいです。
ここでは、マインドフルネスを実践する上での思考方法を以下に挙げます。

  • 「今ここ」の体験に気づく
  • 瞬時に判断しない
  • ありのままに受け止める

1970年代から疼痛緩和やストレス緩和に対して、マインドフルネスを用いたアプローチの試みが行われ、その有効性が報告されるようになりました。また、うつの予防や摂食障害(拒食症や過食症)、肥満症の治療にも、マインドフルネスが用いられる場合もあるようです。

もちろん他の心理療法と同様に、マインドフルネスの効果には個人差があります。また、不安やうつが悪化するといったリスクもあるので、やはり専門家の指導のもとで実践することが大切です。

 

マインドフル・イーティングについて

より身近なマインドフルネスとして、「マインドフル・イーティング」があります。
マインドフル・イーティングは、マインドフルネスを「食べること」に応用・特化したものです。
ひと言で表すなら「食べること」だけに集中する、ということになります。

 

マインドフル・イーティングの一例を紹介します。

  1. 食べ物を観察する(視覚)
  2. 香りをかぐ(嗅覚)
  3. すぐに噛まず口の中に含む(味覚)
  4. ゆっくりよく噛む(食感+聴覚)
  5. ゆっくり飲み込む

食事をしている女性のイメージイラスト

五感をフル稼働して味わうことで、食べる速さや食べる量に影響すると考えられています。肥満の人に対して、マインドフル・イーティングは減量、体重の維持に有効といった報告があります(Curr Obes Rep.2018;7(1):37-49.)。
「ストレスで何となく食べてしまう」から「少量をじっくり味わう」といった風に食行動が変化するのかもしれません。

 

食べることは、ただ栄養をとる・空腹を満たすだけではなく、昔を思い出したり、四季を感じたり、人とつながる機会だったりと、人生を豊かにするものだと思います。実のところ、私自身マインドレスに食べていることが多い気がします。
せっかくなので、少しだけマインドフルに、食事を楽しみたいです。

 

さいごに

マインドフルネス、マインドフル・イーティングについて紹介しました。
年明けからショッキングなニュースが、私たちの心に影を落としています。生きている限り、ストレスゼロというのは難しいと思いますが、マインドフルネスの考え方が役に立つことがあるかもしれません。

2024年1月23日